Jul 20, 2014

失われた帝国のためのアートワーク No.1 The artwork for the Lost Empire KuK - No.1

 2014年は第一次大戦勃発の年からちょうど100年。ヨーロッパの歴史家の知人等は特に色んなイベント事に出かけたり、本を出したりと大忙しのようです。忙しいとはいえ、楽しみながら取り組んでいる様子が伝わってきます。そういう訳で、私の心にも自然と戦没者追悼の気持ちや、失われた王国へのノスタルジーが大きな波のように押し寄せてきております。

 そこで、以下の理由を元に「失われた帝国」シリーズとして、オーストリア=ハンガリー帝国の制服を描きました。絵の完成までにメダルのことで相談に乗って頂いたリッターさん、絵の人物が持つ葉巻に「ヴァージニア葉巻(Virginiazigarre)」をご提案頂いたしゅにっつぇるさん(皆様twitterで大変お世話になっております)おかげさまで仕上げる事ができました。ありがとうございます!

(2014/10/14)
物語設定の関係で、メダルを一部変更致しました。

(Leutnant Alfred by Kumiko Sakaki)


モデル(だってファッションだもの)
  アルフレートさん Alfred 
  帝国陸軍騎馬砲兵少尉 Leutnant   
  (所属部隊は省略します)

モデル馬
  リピッツァーナー(Lipizzaner) オーストリアで品種改良された馬。


時代
  1915年の初夏。


勲章(左から)

戦功メダル(1890年3月12日制定。Signum Laudisの愛称で知られる)
「戦功メダルはもともと1クラス(金メッキが施された銅)で提供されていた。元々、再受章は承認されていなかった。平時のバージョンと戦時バージョン双方を受け取る事ができたことを除いては。(en)」

勇敢メダル銅章(1915年2月14日制定)
「勇敢メダルは戦闘における勇気の行為のために士官や下士官や他の階級に授与された。(en)」

1912年/1913年従軍記章(1913年7月9日制定)
1912年から1913年にかけて起こったバルカン戦争に動員された(少なくとも4週間)すべての軍関係者へ授与された。


※ちなみに、戦功メダル、勇敢メダルともフランツ=ヨーゼフI世(FJI)の横顔が刻まれています。FJIは1916年11月21日に亡くなり、それ以降このレリーフの顔はカールI世に変わります。


 個人的なことを申しますと、オーストリア=ハンガリー帝国への関心はスロヴェニアに暮らすペンパル(e-pal)さんのTさんからでした。彼の曾祖父さんは帝国陸軍の砲兵連隊(グラーツ)にいらっしゃったのです。当時の写真を拝見させてもらいましたが、スマートで凛々しい表情、品の良い佇まい、一族に伝わる双頭の鷲があしらわれた金と銀のサーベル、リボンを三角折にしたメダルなど、その華麗なるビジュアルに魅了されました。(一種のロマンというか……浪漫です)
 Tさんのシュタイアーマルクに対する望郷の想いを聞いているうちに、自然とKuK(二重帝国)に惹かれていきました。
(Tさんの曾祖父さんが暮らしたところは戦後割譲されてユーゴスラビア王国になりました。Tさんの家系はドイツ系)

(The part of the artwork for L'Heure Bleue by Kumiko Sakaki)


 そして偶然にも、日陰でちびちびと進めていた歴史物語の主人公がオーストリア人であり、その彼が幼少の頃から尊敬の念を抱いていた伯父さんというのがオーストリア=ハンガリー帝国の砲兵科出身、という構想がありました。実は、この伯父上は昨年の個展「洒落者の残り香」にも登場しております。(それを部分的にuploadしたのが上の絵です)

 ゲランの香水「ルールブルー(L'Heure Bleue1912年)」をイメージしたアートワークを描いたことで、より一層「今は亡き国」の断片を描いてみたいと思うようになりました。ルールブルーは本当に良い香りなので、ぜひパルファムで試して頂けたらと思います。
 せっかく幾つかの資料が揃っているので、一連の昔なつかしファッションイラストを描いてみようかな(技術向上になるし)ということで、これを「失われた帝国」シリーズの一枚目としました。(何だかディアゴスティーニっぽいぞ)

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